梅雨などのジメジメした時期に必ず発生するカビ。なぜ部屋の中なのにカビが発生してしまうのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
なんとカビは4つの条件を満たすだけでどこにでも発生してしまうと言われているのです。今回はそんなカビが発生してしまう原因と、部屋でできるカビ対策についてご紹介します。
目次
なぜ部屋にカビが発生?カビ発生の4つの条件
部屋のカビ対策のためには、カビが発生する原因を知る必要があります。カビが発生しやすい4つの条件を抑えて部屋のカビ対策に役立てましょう。
温度
カビは5度~45度で繁殖します。カビは高い温度を好むため、特にカビが活発に繁殖する温度は20度~30度前後といわれています。
湿度
カビが繁殖するためには水分が必要です。湿度が60パーセントを超えるとカビが繁殖を始め、80パーセントを超えると活発に繁殖するようになります。雨季や夏季にカビが増えるのは湿度が高いためと言えるでしょう。
栄養分
カビの栄養分はホコリや汚れ、皮脂などの目に見えにくいものだけではなく、木材、接着剤、プラスチックなど身の回りにあるものがほとんどです。特に汚れが付きやすいものにはカビが繁殖しやすくなります。
酸素
カビは好気性のため、酸素を必要とします。もちろん繁殖にも酸素を要します。
以上の4つの条件が満たされていた場合、カビが発生してしまいます。
カビの発生理由や発生しやすい箇所について
カビの発生条件についてご紹介しましたが、なぜ部屋の中なのにこの条件が満たされるのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。じつは室内だからこそカビが発生しやすくなっている場所があるのです。
カビが発生する理由
空気中の胞子がものの表面に付着し、その場所の温度が適していれば付着した表面についていた水分と栄養分を取り込んで繁殖していきます。
室内の空気1立方メートル中に含まれるカビの胞子は数個から数千個にも及びます。住居の一般的な室内温度は10度から30度であるため、室内の表面にカビの胞子が付着してしまったら、それだけでカビが繁殖する可能性があるのです。
そしてカビが繁殖しやすいのは湿度と栄養分のある場所です。室内のホコリが溜まっている場所や、水分が多い場所はカビの繁殖場所になります。湿度が部屋全体では低くても、表面の水分が高い場所があればカビは発生してしまうのです。
カビはどんなところに発生しやすい?
室内で結露がよくできる場所はカビも発生しやすいです。結露は温かい空気が冷やされることによって、空気中に含まれていたたくさんの水蒸気が水に変わってしまうことで発生します。温度の差が生じやすい窓ではよく結露が発生してしまいます。
また、タンスや本棚の上などにはホコリが溜まりやすいです。カビが発生する危険性があると言えるでしょう。
湿度の高い部屋だけがカビの生えやすい場所ではありません。カビはほかの微生物が発生しないような湿度の場所であってもカビは発生することがあります。水がない場所だからといって十分な酸素や栄養分がそろっていればカビは発生してしまうのです。
部屋にカビは生やしたくない!日ごろからできるカビ対策
出来ればカビが生えにくい環境で生活を送りたいものです。実は部屋のカビは対策を日ごろからしておくだけで効果があるのです。
【その1】掃除はこまめにしよう
カビの栄養分となるホコリやお菓子のかす、皮脂などの汚れを取り除くことでカビの繁殖を防ぐことができます。特に人目につきにくい場所は汚れが溜まりやすいため入念に掃除しておきましょう。
掃除の際、掃除機や濡れ雑巾を使用するときは注意しましょう。掃除機をいきなり床にあててしまうと、床の表面についていたカビの胞子を空気中にまき散らすことになってしまいます。まずはドライ式モップをかけてカビの胞子を取り、そのあとに掃除機をかけるとよいでしょう。
濡れ雑巾は水分を含むため、床や壁をそのまま拭くと逆にカビを増やすことになりかねません。雑巾は固く絞ってから使い、拭いた場所をしっかり乾かしたらエタノールなどで除菌をするようにしましょう。
【その2】換気をする
湿気を部屋から逃がすためには、部屋全体に風邪を通す必要があります。換気することで空気の流れを作ることができ、湿気を逃がすことができます。室内にカビが繁殖しているとき、空気中には大量のカビの胞子が飛んでいます。
換気することでカビの胞子を外に逃がすことができるため、カビ掃除中に換気をしておけばカビが再繁殖する可能性を低くすることができます。
【その3】クローゼットも湿気がたまる
クローゼットを頻繁に開くことはほとんどないですよね。そのためクローゼット内は密閉状態にあり、あまり空気の入れ替えが行われていません。その中に、皮脂や汗が染みこんだ衣類を収納すると、クローゼット内に湿気がこもり、湿度が高い状態になってしまいます。
またクローゼット内は衣類から出るホコリや皮脂汚れが溜まりやすいのです。そのためカビが発生しやすい場所になっています。
クローゼットのカビ対策はまず風通しの良い状態にすることが大切です。余裕のある収納をすることで空気が入れ替わりやすくなるでしょう。また、扇風機をクローゼットに何分かあてると湿った空気を追い出すことができます。
着た服はすぐに収納せず、一晩干して湿気を飛ばしてから収納しましょう。こうすることで湿気がクローゼット内に溜まることを防ぐことができますよ。
【その4】浴室こそ湿気のたまり場
水回りはカビが繁殖しやすい場所です。特に浴室は常に水を使用するため、部屋内に湿気が充満してしまい壁や床にカビが発生してしまいます。ゴムパッキンには頑固な黒カビも。こうした頑固なカビは専用のカビ取り剤を使うことで取り除くことができます。
カビ取り剤は強力な薬剤のため、使用するときは換気をしっかりしてゴム手袋とマスクを着用しましょう。カビを落とした後は部屋全体を乾燥させてエタノールをスプレーしておくと予防になります。
部屋のカビ対策には効果的なアイテムをうまく利用すること!
部屋のカビ対策として多くのアイテムが売られています。ぜひ使用してみましょう。
【アイテム1】除湿器
除湿器はその名の通り、湿気を取り除いてくれる器械です。部屋の湿気だけではなく、洗濯物を乾燥させることに使用することもできます。部屋干ししたときに部屋中が湿気臭くなることがありますが、除湿器で乾燥させれば部屋の除湿も行ってくれるため臭いを気にする必要はありません。
【アイテム2】除湿剤
クローゼットや靴箱の中に除湿剤を入れておくと、中にこもりがちな湿気を取り除いてくれます。コンパクトなものがほとんどであるため、自分の家にあるものに合った除湿剤を使用することができるでしょう。
【アイテム3】重曹
除湿剤は重曹で作ることも可能です。作り方は空き瓶に重曹を6分目まで入れます。香り付けしたい場合は一緒にアロマオイルなどを入れて混ぜましょう。そのあと瓶の口より大きめに切った布をかぶせてひもで止めます。これで除湿剤の完成です。アレンジ方法によっては可愛い仕上がりにすることもできます。ぜひ試してください。
それでもカビが発生してしまったら…カビ取り掃除をしましょう
部屋のカビ対策に取り組んでいたはずなのに、カビが生えてしまったということもあります。その場合はカビ取り掃除をおこないましょう。
室内のカビが軽いものであれば、家庭用中性洗剤で除去することができます。掃除するときは胞子を吸い込まないようにマスクをし、手袋をしてきれいにしましょう。
掃除方法は、まずカビの生えている場所に中性洗剤を吹き付けてしばらく時間を置きます。そのあと濡れ雑巾で拭き取り、カビの生えていた場所がしっかり乾燥するまで待ちます。乾燥したらエタノールを吹き付けて除菌をしましょう。
まとめ
梅雨などの湿気の多い時期はどうしてもカビが発生しやすくなっています。雨が続いた日には部屋にカビが生えていないかチェックをしましょう。特に窓際は結露により湿度が高くなっています。カビが繁殖している可能性が高いためしっかり確認しましょう。
万が一カビが発生してしまっていたら、早めに退治しましょう。カビの出す胞子は人間の体にとって有害です。また、普段の生活から換気や掃除に気を使い、カビが発生しにくい環境を作りましょう。もし自力でのカビ退治が難しいようであれば業者を頼るのも良い方法です。できるだけカビのいない環境作りを心がけましょう。